本作は両刃造りとして古い作として貴重な長船忠光の短刀です。本刀は俗名はありませんが、文明の年紀等より初代彦兵衛忠光と思われます。本工は戦国時代初期に活躍した末備前最初期を代表する名工であり、俗名のない作にも多くの良作を見ます。なお本作はまさに戦国時代を戦い抜いた短刀であって地鉄や中心の状態も良く、末備前の両刃の典型的な作品です。本作のハバキは刃区を守るために分割できる特注の造りとなっており、大切にされてきた数百年の歴史が偲ばれます。
備前国住長船忠光 文明二年八月日
室町後期 備前 保存刀剣 白鞘 55万円
刃長19.2cm 内反り 重ね0.55cm 元幅1.95cm