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幕府士川井久幸 八十一歳作 慶応二年八月日

細川正義の弟子、幕臣でもあった川井久幸の作による刀です。大和伝のよく切れるという伝法に私淑したと思われ、大和伝風の鎬の高い柾目が顕われる作刀を得意としました。その作刀は武用専一の武骨な実用本位の作風で知られ、腕の立つ武士に大いに賞用されました。また大和伝は南朝(後醍醐天皇)に協力した大和鍛冶の作風でもあって、そこには勤皇の思いもこめられていると思われます。幕臣の多くが久幸に注文しており、埼玉県の郷土刀ともいえます。

この刀は豪壮な姿が良く、久幸が得意とした槍に通じる実用本位の力強さを感じます。近年の研ぎで一部に疲れがありますが、いまだ総体に重ねが厚く重厚で、新々刀とは思えないような古色ある地鉄が顕われ、鉄の強靭さを感じさせます。

刃長 反り 元重 元幅 先重 先幅
73.5cm 1.6cm 0.7cm 3.2cm 0.5cm 2.05cm

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