本作は得能一男先生の著作、刀工大鑑所載の直江志津兼久の俗名と年紀入りの寸延び短刀です。南北朝時代の代表工で相州上位の名工である直江志津兼氏の次代の刀工で、法名は道阿といい、俗名を太郎左衛門と名乗ります。銘鑑の系譜では兼氏の門、兼俊の子で、本作は同工が直江から関に移住した証拠となる作で、次代の兼久は関七流の一派、得印派の祖となっています。作風は直江志津の伝法より、大和伝の影響が強い作風で、疲れがありながらまだまだ精良で、強めに地鉄が沸づいて冴えた直刃が力強い作刀です。
濃州関住左衛門尉兼久 応永廿七年二月日
刃長 | 反り | 元重 | 元幅 |
32.4cm | ナシcm | 0.6cm | 2.8cm |
室町初期 美濃 特別保存刀剣 白鞘 参考品















