一国氏貞として名高い氏貞と同作の寸延び短刀(脇差)です。氏貞は若狭守兼房の弟といい、一国氏貞などの名品が知られ安土桃山時代の大名の注文を受けて活躍しました。古刀期の美濃兼房を出自として、板目鍛えで沸の強い作風を特徴としております。作風は戦国の気風を伝える鋭い姿に地肌は練れてよく鍛えられ、刃は沸深く冴えます。刃中は金筋や沸筋を交えて変化に富み、志津を想起させます。戦国大名に使われた典型的な腰刀であり、年紀入りが貴重で古来より珍重された一品です。
濃州住氏貞作 永禄十年八月吉日
刃長 | 反り | 元重 | 元幅 |
31.2cm | 0.4cm | 0.65cm | 2.85cm |
安土桃山 美濃 特別保存刀剣 白鞘、拵付 78万円