応永備前から末備前の中間に位置する長船正系の名工である、六郎左衛門尉祐光の刀です。祐光は小反一派の利光の子で、右京亮勝光、左京進宗光兄弟の父にあたります。御物である「東博銘刀押形」に「文明九年 祐光次男 左京進宗光」の作があり、草壁打ちなどで知られる勝光兄弟の活躍は本工あってのことであり、文明九年頃のトップ鍛冶が祐光であったことがわかります。また同じく永享から文明頃にかけて活躍し、同時期に「寛正則光」で知られる五郎左衛門則光がおりますが、作風、銘ぶりが似ており同族と思われます。
作風は本刀の様に則光と比べてますとやや優しい姿で、山城物を見るような宝刀然とした気品がございます。本作は古名作に見える上品な姿に華やかな丁子乱れが美しく、まさに一文字などを想起させる名刀です。


















