<長船長光>について
投稿日:2024年02月10日(土)
長船長光は備前の有名工というだけでなく、「大般若長光」「津田遠江長光」「熊野三所権現長光」などの数々の名作を造った名工中の名工です。鎌倉中期という時代性のため、小太刀と短刀の作例はほとんどありません。作風は腰反りの上品な姿で乱れの頭がむっくりとした独特の互の目に小丁子が交じった刃紋が特注です。地肌は小杢目が交じった板目肌に乱れ映りが鮮やかに表れます。勇壮な太刀が多い為に磨り上げてあるものが多いですが、健全なものは踏ん張りが残っているものもあります。備前刀のなかで平均点が最も高く数も多いながら、一振りごとに個性があるので味わい深く気品溢れる作品が多いです。二代説がでるほどに作刀期間が長く、初期の一文字風の出来と中期の気品溢れる小丁子の作があり、景光、兼光の作風となる片落ち互の目の刃紋も晩年の長光が最初に造っています。