水戸の代表工である、直江助共の短刀です。助共は尾崎助隆の門であった助政の子で、父とともに水心子正秀の門人となっております。その後、父の後を継いで天保5年水戸藩工となります。父、助政とともに水戸藩九代目藩主徳川斉昭公(烈公 )の相手鍛冶を勤め、その作風はまさに助共の出来です。
この短刀は総柾目の出来で柾目肌がよく詰んで美しく、大和伝で強めの沸が刃縁によくついて明るく冴えております。気品ある姿にやや切先が枯れて鋭い感があり、古作に近い姿です。徳勝にも近い作風で古作の日本刀の写しに巧みであり、且つ実用に向いた作柄を誇っています。