新々刀を代表する濤乱刃の名工の一人、信高の八代目となる清水甚之進の刀です。精美な肌と明るく深い匂い口が美しく、尾崎助隆もかくやといった出来です。清水甚之進は実力で八代目の信高となった名工で、六代信高の門人となった後、薩摩の大和守元平、さらに大坂にて尾崎助隆にも学んでおり、作風は尾崎助隆と同じ越前守助広を目指した濤乱刃を得意としています。なお本作は同作の中でも傑作で、姿は尾張刀の典型である、身幅が広く反りが浅いがっしりとした体配で、「矩武持主」という銘からもおそらく柳生に縁のある武士の注文であることがわかります。長さも二尺一寸程で同流派の特色である小太刀の技を意識した長さであると思われます。時代を超えた刀工の技量を感じる名作をご覧下さい。
清水甚之進信高 矩武持主 文化元年二月日
刃長 | 反り | 元重 |
62.1cm | 1.0cm | 0.75cm |
江戸後期 尾張 特別保存刀剣 白鞘 拵付 85万円






