本作は正阿弥の一派の作で且つ、陸奥国で作られた会津正阿弥の作です。正阿弥一派は室町末期の京で始まり、初期のものは古正阿弥と称される他、伊予、阿波、会津など各地に分派が生じ、鉄地に金象眼や色絵を施した作品が多いです。なお「会津正阿弥」はその正阿弥一派が松平家の城下町である会津若松で製作した鍔です。作者としては長鶴、長六、長次などが江戸時代初期から中期にかけて活躍し、 天明頃から慶應にかけては正光や正重、一光な どの優工がおり、初期の会津正阿弥と異なった本作のような作柄を示して、出来が優れます。本作は鍛えのよい鉄鍔で、力強い彫りに色絵ですっきりとした老梅樹が現されております。
鍔 会津正阿弥
江戸後期 無銘 会津正阿弥 箱入り 5万円
縦8.6cm 横7.8cm 切羽台厚み0.5cm 大きさ2.8cm



