幕末、会津藩のお抱え鍛冶として有名な二代目、角元興の作です。通称、松軒(しょうけん)元興とも言われている幕末の名工です。初代の元興は江戸中期の寛政年間に薩摩の名工として名高い、奥大和守元平に師事しており、会津藩主より刀鍛冶棟梁の称号を賜っております。なお初代が師事した奥元平は、相州上位の作(正宗、貞宗、等)を再現して後世「薩州の巨匠」と称された名工であり、その技術は秘伝として秘匿されておりましたが、会津藩主が薩摩藩主に願い出たことで伝授が実現したそうです。さらに初代は初期の頃、銘を「秀國」と切っておりましたが、元平は弟子入りした初代を大層気に入ったそうで、元平の「元」の字を贈り「元興」と名乗らせております。しかし幕末の二代目の時代では、藩どうしが戦うという、悲劇の歴史を歩んでいます。なお、二代目元興も初代の技術を見事に受け継いで、会津の刀工のなかでも特に技量が優れており、幕末の会津藩主、松平容保のお気に入り刀工としても知られております。当時の評価では十一代兼定より、評価が高かったと言われております。
元興入道松軒作 文久二年八月日
刃長 | 反り | 元重 | 元幅 | 先重 | 先幅 |
70.8cm | 1.7cm | 0.82cm | 3.24cm | 0.54cm | 1.92cm |
江戸後期 陸奥 特別保存刀剣 白鞘、拵付き お問い合わせ下さい














